(ちょう)は、中国の明と清の時代と、かつての日本で設置された行政区画の単位である。

中国の庁

明清代の庁は、新開地や特殊な地域に設けられたものがほとんどで、直隷庁散庁分防庁の種別があった。直隷庁は府・直隷州と等級が同じで、現在の中華人民共和国の庁局級と地級に相当し、省・道に属し、多くは県を含まない。散庁は府に属し、散州・県と等級が同じである。最初に設置された庁は明の天啓年間に設置された四川の叙永庁(現在の叙永県)である。

清の内地の行政区画は次のような階層構造になっていた:



直隷庁

清の内地(東三省や新疆省は除外する)で、当時、直隷庁(省や道に直属した)は以下のような物があった:

  • 直隷省(現河北省):多倫諾爾庁、独石口庁、張家口庁(この三つの直隷庁の管轄区域が互いに接していることから、「口北三庁地区」と呼ばれるようになった。多倫諾爾庁は現在内モンゴル自治区所属)
  • 山西省:綏遠城庁、帰化城庁、薩拉斉庁、清水河庁、托克托庁、和林格爾庁、豊鎮庁、寧遠庁、興和庁、陶林庁、武川庁、五原庁、東勝庁(上記の庁は現在すべて内モンゴル自治区所属)
  • 甘粛省:化平川庁(現在寧夏回族自治区所属)
  • 江蘇省:海門庁
  • 浙江省:定海庁、玉環庁
  • 広東省:仏岡庁、連山庁、赤渓庁
  • 広西省:百色庁、上思庁
  • 湖北省:鶴峰庁
  • 湖南省:乾州庁、鳳凰庁、永綏庁、晃州庁、南州庁
  • 四川省:理番庁、石砫庁、松潘庁
  • 雲南省:永北庁、蒙化庁、鎮沅庁、鎮辺庁
  • 貴州省:松桃庁

散庁

清の統治は200年以上に及び、内地の各地方の行政区画には常に変動ががあり、以上の直隷庁の資料は必ずしも完全なものではない。しかし、上開名簿に載っていない庁なら、府・直隷州の管轄に属する散庁である可能性が高い。

例:


陝西省

  • 同州府:潼関庁
  • 西安府:孝義庁、寧陝庁
  • 漢中府:留壩庁、定遠庁、仏坪庁
  • 興安府:漢陰庁、磚坪庁

四川省

  • 重慶府:江北庁
  • 叙州府:馬辺庁
  • 嘉定府:峨辺庁

湖北省

  • 漢陽府:夏口庁

江西省

  • 吉安府:蓮花庁
  • 贛州府:定南庁、虔南庁

江蘇省

  • 鎮江府:太平庁
  • 蘇州府:太湖庁
  • 松江府:川沙庁

福建省

  • 福州府:平潭庁
  • 泉州府:馬巷庁
  • 漳州府:雲霄庁
  • 台湾府:澎湖庁、淡水庁、噶瑪蘭庁

広東省潮州府と福建省漳州府が共同管轄した南澳庁


いずれも散庁級に属する。

分防庁

分防庁、散庁の両長官はいずれも知府の下に属しているが、分防庁は徴税、治安維持、食糧運送、通信、異民族対策、海防などを専従しており、散庁のような行政区域を持っていない。


たとえば:


福建省

  • 泉州府:廈防庁(廈門庁)、蚶江庁
  • 漳州府:石碼庁
  • 台湾府:台防庁

広東省

  • 広州府:澳門庁

日本の庁

日本はかつて北海道に北海道庁を設置したことがある。これは現在の北海道の行政庁である北海道庁とは別である。また、樺太島には樺太庁を設置していた。また、台湾にも庁制度があり、第2次世界大戦後の琉球諸島には地方庁が設置された。現在の日本では「庁」は行政区画としては使われていない。「支庁」はあるが、これは都道府県の出先機関である(北海道の支庁は2010年に振興局に改組された)。

なお、日本では都道府県の政庁を庁と呼ぶが、中国では政府の語を用いるので、たとえば「県庁」は中国語では「県政府」となる。

かつて存在した庁としては以下のような物がある。

参考文献


行政区 (ぎょうせいく) JapaneseEnglish Dictionary JapaneseClass.jp

「18歳」と「20歳」の違いは? 1分で読める!! [ 違いは? ]

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日本的行政区划 知乎

日本地图之行政化区分_图解日本_新浪博客 リテラシー, ふぐちり, 地図