オドリバエは、双翅目の科の一つであるオドリバエ科(Empididae)に所属する種の総称。オドリバエ科に属する種は、世界で3000種以上が記録されており、その多くが全北区から発見されている。オドリバエ科の種は、他のオドリバエ上科の種と同じく捕食性で、他の双翅目に比べて非常に多彩な形態をもつ群である。なお和名にハエとつくが、分類学的にはアブに近い仲間である。
概要
オドリバエは、幼虫、成虫共に捕食性のアブの仲間であり、主に他の双翅目昆虫を捕食している。非常に広範な地域で発見されており、水辺または陸地の両方に生息している。また一部のオドリバエの仲間では、非常に複雑な求愛行動が知られており、オスが絹にくるんだ餌をメスに差し出して求愛する Hilara mauraや、オスが栄養価の低い獲物をメスに送り、「婚姻の儀」を行う Empis snoddyiなどといった種が知られている。
分類
オドリバエ科に属する種は形態的にも非常に多様であったため、もともと亜科とされていた分類群の一部が、科として独立した扱いとなることがある。その考え方に従うと、セダカオドリバエ科(Hybotidae)、Atelestidae科が独立した分類群として扱われる。またタマオバエ亜科(Brachystomatinae)を科として独立させる考えもある。またかつてオドリバエ科の亜科であったネジレオバエ亜科(Microphorinae)は、アシナガバエ科の亜科の一つとして扱われている。
亜科
- Brachystomatinae - タマオバエ亜科
- Ceratomerinae
- Clinocerinae
- Empidinae - オドリバエ亜科
- Hemerodromiinae
- Oreogetoninae
- Trichopezinae
ギャラリー
脚注
参考文献
- Chinery, Michael (1986): Collins Guide to the Insects of Britain and Western Europe.
- Moulton, J.K. & Wiegmann, B.M. (2007): The phylogenetic relationships of flies in the superfamily Empidoidea (Insecta: Diptera). Mol. Phylogenet. Evol. 43(3): 701-713. doi:10.1016/j.ympev.2007.02.029 (HTML abstract)
- Sinclair, B.J. & Cumming, J.M. (2006): The morphology, higher-level phylogeny and classification of the Empidoidea (Diptera). Zootaxa 1180: 1-172. PDF fulltext

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