ヘッドコーチ(英語: head coach)とは、スポーツにおいて選手を指導するコーチの一番上に立つ役職。ただし、組織の区切り方によって位置づけは異なる。

概要

スポーツのリーダーに与えられる肩書きとしては、監督、ヘッドコーチ、キャプテン、バイスキャプテン、ポジションリーダーなどがあるが、これらは組織の区切り方によって位置づけが異なる。アメリカンフットボールなどヘッドコーチと「監督」の地位が分離しておらず同義で使われることもあれば、野球・サッカーなど監督とヘッドコーチを別の役職となっている場合もある。これらは「監督」を「コーチ」の範疇に含めるかどうかの解釈に左右される(ヘッドコーチが別にいる場合、監督とコーチをまとめて「首脳陣」と表現することが多い)。

また、ラグビーユニオンでは、ディレクターとヘッドコーチを分ける場合がある。ディレクターは、クラブのユースチームからトップチームまですべて統括する一方で、ヘッドコーチはトップチームのみのを率いることが多い。日本国内では、ラグビーで、監督の下にヘッドコーチという役職を置いている場合は、本場のラグビーの慣習からではなく、日本プロ野球の監督の下にヘッドコーチがあるという一種の誤解から生まれているようである。海外では、ディレクターとヘッドコーチを分ける場合あり、日本での監督とヘッドコーチの役割に近い場合が多い。

バスケットボール

特にバスケットボールの場合、「ヘッドコーチ」の立ち位置がより明確化されており、地位も高い。ただし、チームによってはヘッドコーチの上に「スーパーバイジングコーチ」「エグゼクティブコーチ」などの役職を置く場合もある。また、基本的には各チームに必ず1人存在するが、ごく稀にヘッドコーチを置かず「アソシエイトコーチ」が代行的に指揮を執る場合もある(一時期の和歌山トライアンズが一例)。かつては他のスポーツ同様「監督」と呼ばれていたが、国際バスケットボール連盟(FIBA)により現場の指揮官を指す呼称として「ヘッドコーチ」と統一された。

バスケットボールの「監督」「ゼネラルマネージャー」あるいは「総監督」とヘッドコーチの間に位置する役職を指すことが多い。ただし、学生などではヘッドコーチの該当者をそれまで通り「監督」と呼ぶケースが多い。

NBA

B.LEAGUE

野球

野球では基本的に監督の次に立つ役職であり、主な役割としては作戦面を担当し、監督に状況に応じた助言を提供することである。また監督が出場停止や退場処分になったり、個人的な理由で試合に出場出来ない場合は監督代行を務める。ヘッドコーチのポストは必ずしも置かれる訳ではない。MLBでは日本のようなヘッドコーチはなくこれに近いものとして「ベンチコーチ」または「ダッグアウトコーチ」の役職が存在するが、どちらかといえば作戦担当に重きが置かれる。また、肩書きを「総合コーチ」「チーフコーチ」としているチームも見られるほか、チームによってはヘッドコーチと総合コーチの両方が存在しているチームもあり、この場合はヘッドコーチの方が立場は上である。2009 ワールド・ベースボール・クラシック日本代表では伊東勤が「総合コーチ」に就任した。

日本プロ野球(NPB)

セントラル・リーグ
パシフィック・リーグ

サッカー

サッカーも野球同様、監督に次ぐ役職として置くことが多い。ただし、クラブによってはヘッドコーチ職を置く場合と置かない場合に分かれる。また、代表チームの場合、「ヘッドコーチ」「コーチ」は監督を指す呼称として使われ、その下の役職は通常「アシスタントコーチ」と呼ぶ。

Jリーグ

  • 北海道コンサドーレ札幌:なし
  • ヴァンラーレ八戸:東純一郎
  • いわてグルージャ盛岡:高崎康嗣
  • ブラウブリッツ秋田:なし
  • ベガルタ仙台:なし
  • モンテディオ山形:なし
  • 福島ユナイテッドFC:なし
  • いわきFC:なし
  • ザスパクサツ群馬:氏家英行
  • 栃木SC:鈴井智彦
  • 水戸ホーリーホック:森直樹
  • 鹿島アントラーズ:なし
  • 浦和レッズ:なし
  • 大宮アルディージャ:海本慶治
  • 柏レイソル:布部陽功
  • ジェフユナイテッド市原・千葉:小倉勉
  • 東京ヴェルディ:なし
  • FC東京:なし
  • FC町田ゼルビア:村主博正
  • 川崎フロンターレ:なし
  • 横浜F・マリノス:マルク・レヴィ
  • 横浜FC:増田功作
  • Y.S.C.C.横浜:なし
  • 湘南ベルマーレ:高木理己
  • SC相模原:鷲田雅一
  • ヴァンフォーレ甲府:望月達也
  • アルビレックス新潟:なし
  • カターレ富山:なし
  • ツエーゲン金沢:関浩二
  • AC長野パルセイロ:吉田悟
  • 松本山雅FC:なし
  • 清水エスパルス:阪倉裕二
  • ジュビロ磐田:鈴木秀人
  • 藤枝MYFC:なし
  • アスルクラロ沼津:なし
  • FC岐阜:田口貴寛
  • 名古屋グランパス:なし
  • 京都サンガF.C.:大嶽直人
  • ガンバ大阪:和田一郎
  • セレッソ大阪:小菊昭雄
  • FC大阪:平野将弘
  • ヴィッセル神戸:吉田孝行
  • 奈良クラブ:なし
  • ファジアーノ岡山FC:なし
  • サンフレッチェ広島:横内昭展
  • ガイナーレ鳥取:坂田和也
  • レノファ山口:なし
  • 愛媛FC:なし
  • FC今治:なし
  • カマタマーレ讃岐:上村健一
  • 徳島ヴォルティス:米田徹
  • ギラヴァンツ北九州:なし
  • アビスパ福岡:なし
  • サガン鳥栖:片渕浩一郎
  • V・ファーレン長崎:安達亮
  • 大分トリニータ:吉村光示
  • ロアッソ熊本:財前恵一
  • テゲバジャーロ宮崎:米田兼一郎
  • 鹿児島ユナイテッドFC:なし
  • FC琉球:なし

ラグビー

ラグビー日本代表や、企業などのラグビーチームの多くにおいて、ヘッドコーチ(HC)はコーチたちのリーダーとして現場(練習や試合)で指揮をとり、ゼネラルマネージャー(GM)はチーム強化に関する総合マネジメントを行う。

このような分業化により、親代わりのように各選手の面倒をみるそれまでの監督と異なり、たとえ日本文化に詳しくない外国人であっても、現場指揮だけに徹してヘッドコーチに専念することが可能になった。

2005年に日本代表がこの体制になってから、ヘッドコーチは外国人、ゼネラルマネジャーは日本人が担当している。

トップリーグ

  • NECグリーンロケッツ:ピーター・ラッセル
  • NTTコミュニケーションズシャイニングアークス:ロブ・ペニー
  • NTTドコモレッドハリケーンズ:ダヴィー・セロン
  • キヤノンイーグルス:グラント・バシュフォード
  • 近鉄ライナーズ:なし
  • クボタスピアーズ:フラン・ルディケ
  • 神戸製鋼コベルコスティーラーズ:ジム・マッケイ
  • コカ・コーラレッドスパークス:アール・バー
  • サントリーサンゴリアス:なし
  • 東芝ブレイブルーパス:なし
  • トヨタ自動車ヴェルブリッツ:なし
  • 豊田自動織機シャトルズ:レオン・ホールデン
  • パナソニック ワイルドナイツ:相馬朋和
  • 宗像サニックスブルース:なし
  • ヤマハ発動機ジュビロ:堀川隆延
  • リコーブラックラムズ:マット・コベイン

トップチャレンジリーグ

  • 釜石シーウェイブス:小村淳
  • 九州電力キューデンヴォルテクス:なし
  • 中国電力レッドレグリオンズ:なし
  • 中部電力ラグビー部:遠藤一輔
  • 日野自動車レッドドルフィンズ:なし
  • ホンダヒート:ダニー・リー
  • マツダブルーズーマーズ:なし
  • 三菱重工相模原ダイナボアーズ:ジョージ・コニア

アメリカンフットボール

日本の大学アメリカンフットボールチームにおいては、組織のトップとして総監督を置く場合がある。しかし、世界最高峰のアメリカンフットボールリーグであるNFLにおいてはヘッドコーチが現場指揮、指導のトップを意味し、野球における「監督」と類似の役割を担う。

脚注


ヘッドコーチがキャンプで大変な理由【阪神タイガース】 YouTube

ヘッドコーチ(^^) CARP LOVE

【NBA】最新のヘッドコーチランキング作ってみた

【NBA】プレイヤー・ヘッドコーチ・アシスタントが課題解決までにすべき役割とは? YouTube

巨人が来季の組閣発表 ヘッドコーチに二岡智宏2軍監督が打撃チーフコーチ兼任で就任 桑田真澄ファーム総監督が2軍監督に:中日スポーツ・東京中日スポーツ